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ウユニの悲劇 2 (チリ、ボリビア)
ウユニツアーで絶対に申し込んではいけない会社アタカマミスティカ。ウユニの悲劇1から先に読んでください。


ツアー最終日、よく晴れている。今年はとても雨が多かったのだそうだ。雨期(通常11月~4月)の間に降った雨が、塩の結晶の上に、自然の大きな水鏡を作り出している。
空と陸の境界線があいまいになった世界を、ゆるやかな波紋を作り、ジープはすべるように進んでいく。

6月にこんなに水があるのは本当に奇跡的!これも異常気象の一つですが・・・
DSCF9063.jpg


空を完全に映し出す水をたたえたウユニの美しさ。ここで、サンライズを見られなかったことが、さらに悔やまれる。それでも、今ある時間が少しずつ私を満たしてくれる。
ジープから降り、水の中に立ってみる。くるぶしぐらいまでかぶる水、遠くまで行きたいが、恐ろしく冷たい。それでも、悲鳴を上げながら、ウユニの空に立つ姿を記念撮影してもらい、急いで車に戻る。

わーい
DSC_0923.jpg


ミネラルウォーターで塩を洗い流し、乾いた布でごしごしこする。呼吸が変になるんじゃないかと思うくらい、冷たさが胸を締め付ける。
みんながそれぞれ写真撮影を終え、さて出発するというとき、「ジープの屋根の上に乗りたい人は乗っていいぞ」とドライバーが言う。乾いた場所は60~70kmくらいで運転するから危険だが、水のあるこの辺りはゆっくり行くから大丈夫なのだそうだ。
喜んだ私ともう一人の男子が屋根に乗る。心地よく顔を打つ風、山は山でなくなり不思議なひし形の存在になる。足元には、ほんのりグレーがかったモコモコの雲、その間から紫がかるような太陽がのぞいている。本当に、どんな風景とも違っている。来てよかったと思う。


太陽が足元に
DSCF9067.jpg


だましえのような世界を行く
DSCF9071.jpg


ゆっくりと進むジープ。ふと左下を見るとドライバーがジープの外に出て、私達のいる屋根の上へと移動してきている。“?????運転手は????”


これがドライバーだ
DSCF9072.jpg


何の障害物もないまったいらな湖面を、ジープはそのまま進んでいく。少しずつ水のない部分が現れ、水と塩がまだらになる。さらに進むと、50センチ四方くらいの亀の甲羅のような模様が表面に現れ、水は、それを囲うように溝状になってくる。乾いた部分がどんどん増えてきて、ジープの安定感が微妙に変化する。ドライバーが車の“ヘリ”につかまって下へ移動していく。
私は屋根後部の荷物が積まれた高い位置から、さっきまでドライバーが座っていた前方の一段低いあたりに移動する。そこのほうが安定感が良い。しばらくはもう一人の男子と二人でそこに座っていたが、私が彼を押し出したような形で、彼は後部に移動する。

そして数分後、突然それは起こった。

「エーー!!!」と思うのと同時に、右腕に猛烈に力がこもる。その先の手は、荷物を縛るのに使っていた太いゴムひもをしっかりつかんでいた。それでも前に振り飛ばされる衝撃を、支えきることはできず、そのまま転げ落ちる。
急ブレーキ!?だった。
幸い私はつかんでいた紐をはなさず、ボンネットの上で体は止まっていた。

自分のことで精一杯だったが、気がつくと上に乗っていた男子が、乾いた真っ白な硬い塩の湖面に、頭から血を流して伸びている。強い打撲とショックで動けない彼、そして、彼のでこは、中に河原の丸い石ころでも詰め込んだように、見る見る腫れあがってくる。鼻、目の脇、口からも血が流れている。意識はちゃんとある。彼のガールフレンドが駆け寄り、悲鳴を押し殺すようにかわいた声で「大丈夫だから、大丈夫だから」と彼に言い続ける。私達は真っ白な塩の砂漠で、凍りついたように立ち尽くした。

しばらく経っても動けない彼。彼女は黙って涙をぬぐう。それぞれの心の中にずっしりとのしかかる重い塊。なみだをこらえてもぬぐっても、それはどこにも去って行かない。後悔と怒り。そして、何度も何度も繰り返される、“何で?”という思い。

そして、私達はとにかく病院へ急ぐことに。私も自分のあごの辺りと首が気になる。
怪我をした彼とそのガールフレンド、私とジェフ、そして、不幸にも急ブレーキを踏んでしまった一人のツーリスト、この5人はすぐにウユニの町へ向かった。
改めてジープに乗り込むとフロントガラスに放射状に大きなひびが入っているのに気がついた。不幸な事故がしるしのように車に刻まれている。


大きなひびが見えるだろうか
DSC_0959.jpg


ウユニの塩湖は思ったよりもずっと大きかった。真っ白に輝く塩の結晶はきらきらとまばゆく、私達をまったく町に近づけてくれない。冷酷な美しさと広大さを見せ付ける。

どこまでもどこまでも続く白い世界
DSC_0963.jpg


町に戻れたのは12時を回った頃。後でわかったことだが、町の中でも、かなりぼろい救急のクリニックに連れて行かれた。私は病院に着く頃には、自分は大丈夫だという確信があった。
頭を打った彼は、36時間の経過観察と、口の中を9針縫う大怪我だった。ウユニの町にはCTスキャンがない。処置後すぐに適当なホテルを探して、みんなでチェックインした。
その時、ドライバーが全ての病院代と薬代、怪我をしたカップルのホテル代を払った。

ホテルのダイニングで、今日、私達が“魚の島”で食べるはずだった昼食をドライバーが並べている。今までの旅行の中で一番ちゃんとした食事だった。怪我をして食べられない彼がとても不憫だ。

食後、私とジェフと怪我をした彼のガールフレンド、そしてドライバーの4人で、ボリビアにあるアタカマミスティカのオフィスを訪ねた。

ここからさらにバトルが始まる。

ウユニの悲劇 3 につづく

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[2011/06/27 10:24] | ボリビア | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
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