コルカ渓谷でコンドルを見る。

まず、その渓谷の風景に圧倒される。標高3800メートルにある展望台クルス・デル・コンドルから、向かいに連なる山々を眺める。雪に覆われたひときわ高い頂が輝いている。
下から吹き上げてくる風は冷たく、展望台の縁に腰掛けた腰が落ち着かない。世界で2番目に深い渓谷がそこにある。
朝6時半。きんと張りつめた空気。遠くの山の向こうから、コンドルたちがやって来るのが見える。近くまで来てくれるのかと思ったが、山あいを少し飛び、そのまま谷底の方へ消えていく。
“一匹も見えなくなったなあ”と思っていると、岩陰の日向に止まって、じっと温まっていたり、ずいぶんと低い位置を時々飛んでいたりする。そんな静かな時間が1時間くらい続く。
日向で体を温めている 頭を突っ込んでいる白いエリマキがかっこいい
そして8時ごろ、いくつかのコンドルのグループが現れ、眼下を舞い始める。
みやげ物を売る民族衣装の女性達や、観光客を乗せたバンも次々に到着し、展望台はいっきに人でいっぱいになる。日も上がって、とてもカラフルだ。
みんな夢中でシャッターを切る。今日はとてもたくさんのコンドルが飛んでいる。2,3羽で列を組んで目の前を通り過ぎ、大きく迂回してまた谷を戻ってくる。悠々と行きかう彼らを見るのは予想以上に楽しい。
展望台から少し離れたあたり、観光客の一人が持参したケイナで、あの名曲“コンドルは飛んでいく”を吹きはじめる。べた過ぎてちょっと面白い。
上手くもないが、何気なく奏でられる楽器というのは案外気持ちがいい。
帽子やベストの刺繍がすごい!
そして9時を回る頃、突然コンドルたちが展望台の人々のすぐ近くを旋回し始める。美味しそうなツーリストが来たのだろうか?みんな大興奮である。恐ろしいブルーグレイの顔まで、はっきり見えるほど近くを飛び、“わさっ”と翻る音も聞こえる。
広げた羽は3メートルにもなるという。谷の美しさと彼らの迫力で圧倒される。
全然期待してなかった分ものすごく楽しかった。
観光客も増えるが、今の季節(6月初め)8時ごろから9時ちょっと過ぎぐらいまでがコンドル盛り。
アレキパよりローカルバスで5時間。14ソル。
クルス・デル・コンドルと呼ばれる展望台の入場料35ソル(谷や町でもチケットのチェックがあるので購入後必ず保管する)
コンドルがよく近くを飛ぶようになるのは8時半くらいから。それでも、朝早く静かな展望台に着きたいなら、最寄の村、カバナコンデに1泊し、翌朝ローカルバスで(1ソル)クルス・デル・コンドルを目指すのが便利。6時発。6時半ごろ到着できる。7時発もある。
または温泉のある町チバイに泊まって、コレクティーボで2時間。
もちろんアレキパの町からツアーも、日帰り、1泊2日、2泊3日といろいろあって、コンドルや温泉だけでなく、道すがらの見どころで何箇所かとまってくれたり、民族音楽があったりと楽しいようである。
アレキパからカバナコンデの途中で通る時代物の段々畑、絶景です。ツアーだと、こういうところでも止まってゆっくりしてくれるので、そういう意味ではお徳かも
カバナコンデの和やかな夕暮れ
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