2011年8月
毛穴が温度調節の仕方を忘れている。セーターを着込んで、しんまで冷えた体に、ねっとりと熱い空気がまとわりつき、なぜか鳥肌が立つ。目の前には、かやぶき屋根とバナナの葉。生き生きとした緑があふれている。半年以上、ほぼ冬と共にアンデスを移動した南米。標高3600メートルのラパスから飛行機でたった40分。たどり着いたのはなんともじっとりしたジャングルだった。
ルレナバケ。やっぱり緑って良いなぁー暑いってサイコー!!
2泊3日のパンパスツアーに参加する。

ルレナバケからジープでほこりっぽい道を3時間、たどり着いたベニ川の支流をボートでさかのぼる。この辺りはジャングルというよりも、川を挟んで低木や茂みのある湿地帯、パンパスと呼ばれているところだ。
木の幹に注目!雨季には黒っぽいところまで水に覆われる
8月、雨の降らないこの季節、動物達はみな川沿いに集まってくる。ワニやカピバラはもちろん、運がよければナマケモノやアリクイも見られるそうだ。
そして今回どうしてもパンパスに来たかった理由のひとつ、カワイルカもこの川に生息している。
昔見た揚子江カワイルカの挿絵。出っ張ったでこと退化した目。似ている!!その横顔を見て、これは自分と同じ種類の生き物だ(そんなわけはないが)と、とてもうれしく思った日を思い出す。ピンクカワイルカ、揚子江ではないがここで会わないわけにはいかない。
ワニはいつも微妙にカメラ目線
カピバラ家族、見にくいが手足には水かきがついている
リスザル
青い顔にモヒカン!ツメバケイ ヒナの時には羽から爪が生えている 完全にパンク
ホエザル その名のとおりゴーゴーよくほえる 早朝不気味な声で目覚める
このツアー、ボートに乗って野生動物を見るだけではなく、ひざまでの長靴を履き湿地帯を歩くアナコンダ探しや、ピラニアつり、朝日夕日観賞などいくつかのイベントがある。が、個人的に盛り上がったのはやはりドルフィンスイム。
“イルカが泳ぐところにはピラニアもワニも来ないから安全なのだ”と旅行会社やツアーのガイドは言う。そういえば、昔見た図鑑にイルカの脳にはメロン体と呼ばれるところがあり、そこから超音波を出して、泳いでいる魚を麻痺させ、えさを捕獲するというような解説を見たのを思い出す。
そういうことなのか?カワイルカ。本当にワニは来ないのか?
川の水はコーヒー牛乳色、もちろん何が中にいるかはまったくわからない。川岸にはワニがうようよ。それでもイルカの背びれを見ると川に飛び込まずにはいられない。
近くを泳いでいたはずのイルカが見えなくなる。何かが足やわき腹をつつく。イルカと信じるが、怖いよ~。そしてしばらくするとはるかかなたを泳いでいるイルカたち。
遠すぎ~。イルカ超音波はいったい何メートルまで有効なのか!?川の中のご馳走は私のみになった。
じたばたと、ボートに向かって泳ぐとガイドが“こっちじゃない。イルカのほうへ泳げ!!”と言う。馬鹿な・・・。ワニ用ビュッフェにはなりたくない。
それでもまた背びれを見ると、めげずに何度でも飛び込んでしまう私。水は気持ちいいし、天気は良いし、イルカはいるし。どきどきしたけど満足。
カワイルカの背中 ピンクっぽい?
もっとそばにおいでよ
埋まっている長靴に注目!この辺は浅め でも完全に“ぬかるみ”です
ピラニアつり仕掛け 糸巻きが魚の形なのがかわいい
大漁!!
原っぱで日の出を見た後、朝焼けの中流れに任せ河を下る
動物の多さはエクアドルで行ったジャングルの比ではない。乾季のパンパスツアーはそういう意味ではとても楽しい。
が、ツアー内容は大体どの会社も一緒。いいガイドがいたという話もあまり聞かない。私たちのツアーガイドも例にもれず。きれいな鳥を発見して「あ、何あれ?」と聞くと「鳥」と答える。がっかりです。彼らの多くは旅行会社に属しているわけではなくフリーのガイド(一部の高級ツアーは除く)。申し込み客の人数が少なければ、他の旅行会社に売られるので旅行会社にこだわってもあまり意味がない。いいツアーいいガイドに当たるのは運しだいといったところ。どの会社も値段は900Bで固定。猛烈な値上げだが、ツアーやガイドの質の向上のため(ぜんぜん向上してない)ルレナバケ地域一帯で決められた値段だそうだ。そのため、ルレナバケでのディスカウントは難しい(ハイシーズンだったせいかもしれないが・・・・)ラパスでツアーの申し込みをしたカップルは、まったく同じツアーを690Bで買えたと言っていたのでラパスで買っておいたほうがお徳かも。